本ホームページは、看護に携わる方が業務の中で遭遇する倫理的課題に対して、みんなで考えていきたいという思いをもとに、看護倫理に関する情報を交換するために開設をいたしました。
現代の医療現場では、医療技術の進歩や患者の家族形態の変化・高齢化、なかでも核家族化や独居老人の増加、判断能力が不十分な患者の増加、また医療費削減政策や医療資源の配分に関わる問題といった医療政策の転換などを背景に倫理問題が増加しています。具体的には、末期医療中止の可否の判断、判断能力がなく、身寄りもいない患者へのインフォームドコンセント、治療を拒否する患者への対応、退院説得に応じない患者への対応、身体拘束、プライバシーに関する問題などがあげられます。このような状況の中で看護倫理とは何かと考えた時、それは“より良い看護を追及するもの”であり、看護倫理について学び、探求することが、倫理的な看護の実践につながると確信しております。
またみなさんの中で、自分自身どうしたら良いかわかっているにもかかわらず,現実的な制約でそれができないために悩んでいることはありませんか?
例えば…
- 倫理的には適切であるとわかっていてもそれを実際に為すことができない.
- 個人としての価値,専門職者としての価値に反することを行わなければならない時.
倫理的苦悩とは、「ナースは目の前の状況に対してどうするのが倫理的に正しいかが判っているが、 その行為を妨げる要因のために、正しいと思う行為を取れず、つらい気持ちを抱いている」 Jameton
倫理的苦悩も含め疑問や悩みを看護倫理の仲間たちと一緒に考えていきたいと思います。
なおこのホームページは、日本学術振興会JSPS科研費 JP22K10771の助成を受けて開設しています。
研究代表者 人間環境大学看護学部・大学院看護学研究科
教授 伊藤千晴 (専門 看護倫理)